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教育―次の世代に何を伝えるのか ②
「教育―次の世代に何を伝えるのか」 その②

◆センス・オブ・ワンダー

中井:今のお話を伺っていて思い出したのは、『沈黙の春』で自然の豊かさを守らないといけないことを世界に訴えたレイチェル・カーソンが、遺作『センス・オブ・ワンダー』の中で、「知識は種、感性は土壌」と言っていることです。もちろん両方必要なんだけど、いくら豊富な知識という種を蒔いても、感性という土壌が豊かでないと
成長しない。今の子供たちを見ていても、種ばかり良くしようとして、土壌がダメになっていってるという気がするのです。

龍村:そうですね。

中井:アメリカ先住民にこういう話が伝わっています。空は木々によって支えられている。森林がなくなれば、世界の天蓋が壊れる。そうすれば自然と人間が共に滅びるという。考えてみると、空が木々によって支えられているというのは、木は酸素を出しますからオゾン層を作るベースになるわけです。世界の天蓋って言うのはオゾン層で、これによって太陽からの紫外線が遮られてという、そういうことを彼らは地球も見ていないのに、体で、感性として知っていた。だから、地球の仕組みを科学的に知らなくても、地球を守る生き方をしてきた。一方、僕は、そういうことを科学によって知っていますが、地球を守る生き方をしているかというと、そうじゃない。ここの関係ですよね。

龍村:そうですね。今回の四番の中で、ラブロック博士がこういうことを言っています。私たちは科学的な知識
を得ることで、木という存在が空気中の二酸化炭素を取り入れ、酸素20パーセントという微妙なバランスを保つ役割を果たしていることを理解する。そうやって知識として分かることは素晴らしいんですけれども、そのことが何を意味しているかを受け止めるもの、レイチェル・カーソンの言う感性という土壌がなければ、データを見るだけで、ハウツーばかりやっていては、すべてがダメになっちゃう。ラブロックという人にインタビューして分かるのは、そのベーシックな感性が、科学者として大気を分析する前に、すでに彼の中にあるんです。地球が大きな生き物であるということが実はもうベースにあって、そこから科学者としての道が始まっている。

中井:また11月27日の話で、客席からもラブロックという人のやさしい雰囲気がよく伝わってきたのですが、印象的だったのが、謙虚さ。あれくらいの仕事をしていながら、謙虚な雰囲気が伝わってくる。優れたサイエンティストであるだけでなく、それ以前に優れた人間だというか。

龍村:私は学校時代、理科とか科学がダメな人間だったんですが、『地球交響曲(ガイアシンフォニー)』を撮り始めて、世界のトップの科学者達に直接お目にかかる機会がたくさんありました。優れた業績を残されている方
は皆さん、謙虚ですよね。
 本当の意味で科学者としての研究をしていくと、これはフリーマン・ダイソンの言葉ですが、一つ何か分かると、その後ろに100前後分からないものがあることが分かってくる、この、分からないことがあることが分かってくるということが、本当は科学だと。そこに、また分かりたいという意志も好奇心も生まれるし、同時に謙虚にもなる。何か大きな見えないいのちの中で自分がいまたまたまここに生かされてるというような、そういう実感が、研究をすればするほど、増えてくる。その実感をベースにして研究されるから、優れた研究も出てくるでしょうし、また日常の人間性として謙虚になり、それが他者と交流する余裕を与えてくれるんですね。謙虚さを持っていると、親しみを覚えるから、ちょっと聞いてみたいと思う。たとえ分からないことでも、この人が言っていることは何なんだろうと知りたくなります。そこに関係が生まれる。科学者が孤立した科学者の世界だけでやっているのではなくて、普通に生きている何億という人たちとの間に、どこかでつながってるんだという気持ちにさせる。ですから、その謙虚さはなぜ生まれるのか、そういう優れた科学者達になぜ謙虚さがあるのか、謙虚さはどんな効果をもたらすのか。このことはとっても重要ですね。

◆ホリスティックな考え方

中井:ラブロックさんがガイアの仮説を発表したのが1979年。地球は一つの生命体だという。部分は全体である、でも全体は部分であるという、一つのホリスティックな考え方が生まれたわけですけれども、そのあと20世紀の最後の20年間、そういう方向に世の中が動いたかというと、必ずしもそうじゃない。しかし、21世紀になって、こうした考え方が浸透していくと思います。

龍村:ホリスティックな考え方は、還元主義的な考え方に対して、アンチテーゼとして出てきたわけだけれど、一方が正しくて他方が間違っているかというと、そうじゃないんで、結局二つを、しかも或る部分では相入れない二つのものを、同時に抱えてないといけない。二つを自分の中にあるものとして解決するにはどうしたらいいんだろうっていう話になった時に初めて、より深いところで両者を統一する何か目覚めっていうか、それが、霊性(スピリチャリティー)だと思うんですね。そういう時代背景の中で21世紀が始まっているような気がします。
ですから、あえて言いますと、進化というものがあるとすれば、心の進化っていうことを真剣に考えた方がいいと思う。一人一人の人間の心の進化、そこに教育がどう関わるか…。どんどん抽象的なテーマになって、すみません。でも、これ、とっても重要。

中井:ええ、共感します。いまの話とも関係あると思うんですが、いま大学は3番目の改革の時期と言われています。1番目が明治時代の初めの大学の揺籃期、2番目が戦後の大学改革の時、それからいまの改革になるわけですね。じゃあ21世紀に向かって、どういう方向に行くのかって考えるときに、100年ちょっと前の揺籃期の話って、すごく面白い。
 私は特に農学関係ですから、農学関係の話になるかも知れないけど、それはほかの分野にも関係あると思うんです。例えば、東京大学の前身の駒場農学校が明治10年ぐらい、ボーイズ・ビー・アンビシャスの札幌農学校が明治9年ぐらい。あの頃、西洋の知識を取り入れないといけないっていうんで、イギリスやドイツの人たちあるいは米国の人たちがワッと来て教えてる。そう意味では国際化してた。もう一つ面白いのは、お百姓さんたちを大学の教師にしてた。だから学生たちは、西洋の近代科学を学ぶと同時に、お百姓さんから現場のことも学ぶ、そういう機会があったんです。
 ただ一つ、そういうふうに西洋の人たちを入れて教育したものですから、日本人のそれ以降の基本的な考え方
で、西洋近代科学の考え方が強くなってしまった。東洋的などちらかと言えばホーリズムとかエコロジーに近い考え方っていうのがすみっこに追いやられてしまった。もう一度そういう考え方が重要になってくると思ってる
んです。

(③へつづく)
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Author:かぼちゃん
ふたりの男子の母です
松山ケンイチさん大好きだぁw

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